
『あっ!郵便局に行くの忘れてた・・・』
と気がついたのが、午後4時ごろ。
寒いし出るの嫌だなぁ・・・と思いながらも、
仕方ないので、支度をして、家を出た。
トボトボと 歩道を歩いててたら、後ろから、
『こんにちは~!』 『こんにちは~!』
と 何度も 聞こえてきたので、
自分に言われてるのかしら?と振り返ってみたけれど、
夕日で 逆光になっていて、
『こんにちは~!』の声の主が誰なのかがわからない・・・
けど、走ってこっちに向って来てるってのはわかったので、
周囲を見回してみたけど・・・私しかいない。
「私に言ってる?けど・・・あんな声の人は覚えがないしなぁ・・・」
と 考えながら ゆっくり歩いてたら、
『こんにちは~!』と言いながら、声の主が私に追いついてきた。
『こんにちは。』と振り返って、声の主の顔を見たけど、
「??? 誰だっけ? 知らない・・・ 初対面・・・」
と心でつぶやいたけど、声の主さんは、笑顔で私を見てる。
で、考えた・・・
「年齢は、自分の息子より少し上な感じの30歳代?」
「うーん・・・ やっぱ 知らないよ・・・」
頭の中で ぐるぐる いろんなことを 考えて
ぱっと 閃いた!
この近くに 共同作業所があったってこと!
で、声の主さんに言ってみた。
『お仕事、終わったの?』って。
そしたら、すごく 嬉しそうに
『うん!終わったよ!いっぱい働いた!』って言うので、
『そう!お疲れ様!』って返すと、
『だから、握手して!』と手を差し出してきた。
あんまり無邪気に 屈託ない笑顔で言ってくるので、
『頑張ったね!』って、握手すると、
目をキラキラさせて喜んで、
また、『握手!』って、手を差し出してきた。
きっと、この声の主君にとっては、
握手が、ご褒美みたいなものなんだろーなぁと
微笑ましく思ったのだけれど、
エンドレスになっちゃうと、郵便局が閉まっちゃうので、
『握手は、1回ね。』とういと、
『はーい・・・。またね・・・。』と、
急に 笑顔がなくなって、道をそれて行ってしまった・・・
「あらら・・・」と思ったので、
『またね!』と大きな声で言いながら、
声の主君に 笑顔で 手を振ったら、
また、笑顔に戻ってくれたので、ほっとした。
周囲の人からしたら、
『ええ おばちゃんと 若いお兄ちゃんが なにしてはるん?』
ってなもんだろーけど・・・
そんなこと どーでもいいや!
声の主君から、ほっこりな気持ちと、無邪気な笑顔をもらって、
イヤイヤ歩いてた郵便局までの道のりに、
心を温かくしてもらえたから、寒さが、気にならなくなったもん^^