
高齢者さんのお宅に伺った時、多いのが、
冷蔵庫の中の消費期限や賞味期限の切れた食品。
消費期限や賞味期限が切れていることは、
ご本人も ちゃんと わかっては いらっしゃる。
しかし、「まだ、食べられるから、捨てるのは勿体ない。」とおっしゃる。
確かに そういうモノもありますよね。
大正生まれの義祖母も、そう言って、
冷蔵庫の中には、沢山の期限切れの食品を
大切に保管していました。
その義祖母が、冷蔵庫を はじめて 使ったときに
「魔法の箱」だと思ったと言っていました。
それまでは、生鮮食品は、
毎日、買い物に出かけて買わなければいけなかったのが、
冷蔵庫のお陰で、鮮度を保ちつつ、
今までより、長く保存できるようになったからだそう。
しかし、その頃は、まだ、消費期限や賞味期限というものはなく、
自分の長年の経験から得たモノを基に、
見た目、ニオイなどを確かめて、五感で判断してきたのです。
それも、暮らしの知恵といえば、知恵なのですが、
高齢者さんの子や孫からしたら、
高齢者さんの長年の経験から得たモノからの
勿体ないというお気持ちは、尊重したいけれど、
期限がとっくに切れてるモノを食べたら、
体調を壊したりしないかと心配になりますよね。
なので、魔法の箱にも期限はあるという事、
消費期限と賞味期限の違いを、
今一度、お話して伝えるということも必要かもしれません。
消費期限とは、安全に食べられる期間。
定められた方法で保存した場合に、
品質が劣化しやすく速やかに消費すべき食品について、
(製造または加工後およそ5日以内で品質が劣化するもの)
腐敗、変敗などの劣化に伴う衛生上の危険が発生する
おそれがないと認められる期限のこと。
消費期限は5日以内で品質が劣化するものとなっているので、
期限が切れてしまうと、安全性は保証できないという事になります。
賞味期限は、おいしく食べられることを保証する期限のこと。
定められた方法に従って保存した場合に、
その食品に期待される全ての品質を
十分保っていると認められる期限のこと。
賞味期限は、保存試験(または虐待試験)をして
賞味期限を決めます。
例えば、100日間商品が食べられる状態にあれば
賞味期限はその7割位で設定しているメーカーが多いそうです。
なので、この場合の賞味期限は70日になります。
きちんとした状態で保管していれば、
30日間はまだ食べられる状態にあるということになります。
(しかし、これは、あくまでも 目安なので、
賞味期限が切れたとしても、それ程日数が経っていなければ
食べることは可能ではある様ですが、早目に食べましょう。)
上記の消費期限と賞味期限の違いをお話した上で、
冷蔵庫の食品を、
消費期限や賞味期限の時系列にカゴなどに分けて保管し、
期限のサインを分かりやすくすると、勿体ない事をしないで、
食品を上手く使いまわせるのではないかと思います。